プーケットタウンのバスターミナルに着くと、係員が「ハジャイ行きはあと5分で出発です!」とアナウンスしていた。
走ってカウンターへ行き、チケットを買いバスに飛び乗った。最初に目指すのは”パンガー県”だ。
プーケットタウンのバスターミナルから約1時間半で到着したパンガー市内のバスターミナルは、雨の影響か人もまばらでどこか寂しげだ。バスターミナルにある観光案内所で「パンガー湾」を周遊する半日ツアーを申し込み、ゲストハウスへチェックインした。
ラオスの「バンビエン」やベトナムの「ハロン」の様に、水墨画に描かれているような、どこか東アジアを思わせる景観であり、何となく懐かしい気分になる。
翌日も朝から雨が降っていたが、心配していたツアーも無事に催行された。
数Kmと続くマングローブの森を抜け、点在する数々の島を横目に見ながらジェームス・ボンド島(カオ・ピンガン)へ到着した。
007の映画は記憶にないが、海面に釘を刺したように立つ島の景観はやはり素晴らしい。もし乾季に来ていればもっと素晴らしい景観なのだろう。
次に訪れたのは、イスラム系住民が海上生活をする「パニー島(Kho Panyee)」だ。
ここは海上に建てられた彼らの”街”を散策することができ、彼らの普段の生活を垣間見る事が出来る。
幅
1m程のメインの小路があり、その横にまた無数の小路が続いている。その小路に民家や商店が無数に存在し、小路では子供達が走りまわり、大人達は商店で買
い物などをしている。”海上の街”でも当たり前のように生活がある光景を目の当たりにし、軽いカルチャーショックを覚えながら帰路についた。
ツアーのメインはこの2つの島だが、パンガー湾の景観やマングローブの森など自然の持つ圧倒的な存在感や、神秘的な雰囲気に息を飲む。そんなツアーだった。
2日間という短い滞在期間ではあったが、ツアー会社の社長やゲストハウスのオーナー、バイクタクシーの運転手、食堂のおばさん、街で出会う人の皆がとても優しく暖かかった。
隣のプーケット県やクラビ県に比べるとマイナーな県ではあるが、「自然と人情の街」、それがパンガー県だ。