農産物から掘り下げるタイの魅力
タイ大使館様よりご招待をいただき、ippinキュレーターとしてタイ王国の食をめぐる旅に参加をさせていただきました。 タイと言えば老若男女問わず人懐っこい笑顔が魅力!別名“微笑みの国”とも言われ、様々な場面でこの笑顔に癒されたり、笑ったり、時には怒ったりと、タイに来たなーと実感する瞬間でもあります。タイ料理におけるココナッツの役割も正にこんな感じ。いろんな場面で顔を出し、味をまろやかにしたりコクを出したりと、実に多彩です。今回はココナッツにフォーカスしてみたいと思います。
ラチャブリー県の農家を訪問
バンコクから約80km南西に下った先がラチャブリー県です。県の西側は隣国のミャンマーに面しています。タイの国土は日本の約1.4倍、そして人口は約半分。大きく5つの地方(北部、東北部、東部、中部、南部)に分かれており、ラチャブリー県はタイ中部の県の一つ。ラチャブリー県の歴史は、6世紀頃から11世紀頃までに存在したと言われるモン族によるタイ王国の重要な都市、ドヴァーラヴァティ王国に遡ります。その由来から県名は“王の町”を意味しており、歴史と自然が豊かな県です。
バンコクから車で1時間半ほど走ると、ランシーモック協同組合会員の果樹園へ到着。挨拶もそこそこに早速加工場へ案内していただきました。そこでまず目を奪われたのは、当日朝に収穫された大量のココナッツの山と、それを分担作業で手際よく皮を剥いてパッキングしていく一連の梱包作業の様子です。スムーズでスピーディー。思わず見入ってしまいました。
専用のナタを使い手際よく無駄な部分を落としていきます。丸いまな板の上でココナッツを自在に回転させながら球状の果実を座りの良い形に整形して行きます。例えると遊具のコマのような、円錐と円柱が合わさったようなイメージ。これは正に職人芸ですね。繊維質で硬い果皮がザクザクと整形されて行く様がリズミカルで気持ちがいい。後はそのままラップで全体をぴったりと覆ったら、箱詰めして完成です。採れたてが鮮度をキープしたまま加工されて、日本をはじめ海外各地へと出荷されていきます。
ココナッツの様々な魅力
ココナッツは割ってみると未熟果の周縁部にはプルプルした固形部分があります。スプーンで削りながら食べられるので、生のプルプルした食感も楽しめます。様々なタイのお菓子や料理にも使われているので、ぜひチェックしてみて下さい。
ブルーエレファントでいただいたミエンカムにも、固まった果汁を削ってローストしたココナッツフレークが大事なアクセントとなる食材として添えられていました。食感と効能、味わいの様々な変化を見せながら魅力を伝えるココナッツを季節に関わらずぜひ楽しんでみてください。
※掲載情報は 2015/12/02 時点のものとなります。