日本とタイ、ASEANの“食”を中心とした相互交流をカタチに。

Facebook
Instagram
Instagram

ソムオーがつなぐ日本とタイの食の架け橋

ソムオーがつなぐ日本とタイの食の架け橋

タイの農産物を見てきました

タイ大使館様よりご招待をいただき、タイ王国の食をめぐる旅に参加をさせていただきました。手がけている日タイを食でつなぐ活動のために20年ほど前より数十回は渡航し、まさに第二の故郷となっている、微笑みの国タイ王国。

今回は、ippinキュレーターとして訪問しましたので、新鮮な気持ちで、また違った魅力を発見することができました。農産物にフォーカスしながら紹介をしてみたいと思います。

 

ソムオーがつなぐ日本とタイの食の架け橋
 

ラチャブリー県へ出発

タイの国土は日本の約1.4倍。大きく5つの地方(北部、東北部、東部、中部、南部)に分かれていて、ラチャブリー県はタイ中部の県の一つ。バンコクからは車で1時間半ほど、距離にして約80km。タイは象の横顔のような特徴のあるシルエットですが、ちょうど鼻の付け根あたりに位置するので、西側はミャンマーの国境に接しています。

東側は、メークローン川を中心に32kmもの運河が張り巡らされていて、観光地として有名なダムヌーンサドゥワック水上市場があります。観光番組などでお馴染みの定番人気スポットなので、ご存知の方も多いかと思います。今回の視察で唯一観光的な楽しみがココでした(笑)。

 

ソムオーがつなぐ日本とタイの食の架け橋
 
ソムオーがつなぐ日本とタイの食の架け橋
 
ちなみに同じメークローン川で、東隣のサムットソンクラーム県にはアムパワー水上市場があり、ホタル観賞ができることで知られています。バンコクから少し足を延ばせば体験できる、伝統と自然がミックスしたタイらしい雰囲気が味わえるスポット。おすすめです。
 
 
ソムオーがつなぐ日本とタイの食の架け橋

 

水路を活かしたソムオーの圃場へ

再びワゴンで10分ほど移動して、ランシーモック協同組合会員の果樹園へ。ココナッツの生産・加工の現場を見せていただいた後(次回ご紹介予定)、ランチを挟んで、いよいよソムオーの圃場へ。

 

ソムオーがつなぐ日本とタイの食の架け橋
 

隣のサムットソンクラーム県も含め、この一帯はソムオーの産地として知られており、タイ国政府観光庁(TAT)は、「2015 Discover Thainess」タイらしさを再発見する2015年をテーマに、12県の隠れた名所「タイの12の秘宝」として、レコメンドしています。

このエリアは水路を活かした栽培方法を取っており、この日に視察をしたアスパラガス、ココナッツ、ソムオー、全て水路で囲みこむようにレイアウト。散水機能を持った小型ボートで園内を走り回り、定期的に水やりを行います。雨季になると水路が見えなくくらいに幹の根元まで増水することもあるとか。水害対策にも一役買っていると思いました。

 

ソムオーがつなぐ日本とタイの食の架け橋

 

魅惑の果実ソムオー

ソムオー(ポメロ)は南アジア・東南アジア原産の柑橘系の果物。栄養価も非常に高く、ビタミンCやミネラルが豊富。美容や健康にも最適な果物で、粒の大きさ、プチプチした食感、甘酸っぱさやほろ苦さもある独特の味わいが特徴。日本には17世紀頃に伝わったと言われおり、九州(晩白柚は熊本県八代市の特産物)や四国では、ソムオーに良く似た同じ文旦類の果物である、文旦やザボン(晩白柚)が生産されています。

ソムオーは8月から9月にかけての雨季が最盛期。日本の1年1収穫とは異なり、年3~4回生産するそうです。また、日本の柑橘類は作業効率や日照を効率よく取り込むために、樹の高さを低めに調整しますが、タイは森の中に樹に実がなっているような自然な状態で、天頂から降り注ぐ太陽を水面からの反射を利用して、水をたっぷり吸わせながら育てているように思いました。

 

ソムオーがつなぐ日本とタイの食の架け橋
 
 また、ソムオーは屋台やスーパー等で、むき身パックや果実のままで山積みして販売していますが、そのまま味わうのも甘さがしっかりあって美味しいですが、様々な料理にも素材として使われています。その中でもオススメはヤムソムオー(ザボンのサラダ)。パームシュガーとココナッツの香りがアクセントになるタイ料理の中でも、日本ではなかなか食べられない一品。
 
ソムオーがつなぐ日本とタイの食の架け橋

 

ソムオー(トーンディー種)の生果実の輸入が2012年2月10日に解禁となり、タイ国政府も年々日本への輸出に力を入れています。

日本では2月頃の冬に旬を迎える冬の果物・晩白柚。夏場に旬を迎え、南国のイメージを活かしたメニュー展開ができるソムオー。良いところを活かして拡がって欲しいものです。

正直、晩白柚とは別物。旬の採れたてソムオーは大変瑞々しく、何個でも食べられそうなくらい魅惑の味わいでした!

 

ソムオー(トーンディー種)

在東京タイ王国大使館 農務担当官事務所

http://oaa-tokyo.jp/

※掲載情報は 2015/10/21 時点のものとなります。