● 活動10年目、いままでの展開について
初noteです。
2012年の団体設立からがむしゃらに走り続けて、気づけばはや10年目に突入。思い起こせば忙しさにあぐらをかいて、情報発信がやや中途半端になっていたこともあり、これではいかんと思い切って書き出してみることにしました。
申し遅れました、Yum! Yam! SOUL SOUP KITCHEN 代表理事の西田です。みなさま、どうぞよろしくお願いします。
まず簡単に自己紹介をさせていただくと、当会は日タイを食でつなぐことをミッションに、“日本列島47都道府県 × タイ王国77県” を大きなテーマとして活動を展開するNPO法人です。
なんのこっちゃわからんと思いますので補足をしていきます。
国同士をつなぐような活動や考え方はたくさんあると思いますが、我々はもう少し発想を掘り下げて考えています。
例えば、県同士とか、エリア同士とか、同じ特産物などです。
このような食の共通項を用いて、産地の食の特徴を生かしたオリジナルのタイ料理レシピを、タイ料理シェフや料理研究家などプロ料理人と共同開発し、食べていただくことで産地の食や郷土文化について知ることができるフードイベントを開催、そのために産地取材を必ず行なっています。
お互いが改めて繋がるきっかけをこのように意図的に作り出すことで、いままでに無かった産地間交流、生産者や食の情報、観光発信などに繋がっていき、新たな地域の活性化や情報発信に繋がるのでは?という狙いを持って進めています。
活動の概要について、こちらの記事で詳しくまとめていただいているので、さっと読んでいただけると大まかな活動イメージがつかめると思います。
また、日本国内だけにとどまらず、ひょいと国境を飛び越えて、タイがくっついている!
ここが一つの当会の活動のポイントと思っています。
みなさんご存知の通り、地域活性化のプレーヤーの方々や様々な地域貢献活動は全国に数え切れないほどありますが、特定地域や問題だけを扱うではなく、国境を超えた47×77のような幅の広い産地間の繋がりを持つ活動コンセプトは他に無かったと思います。
タイとの繋がりも、私自身がもう25年ほど前に料理修行として都内のタイレストラン2店舗で働いてから、自分自身でタイ各地を訪ねながらコツコツと温めて来た人脈や知見などから積み重ねたものがベースになっています。
そこから着想した日タイをつなぐ独自の活動コンセプトや、活動から生まれる両国をつなぐ動きを作ることによる波及効果をご理解・ご評価いただけることができ、活動スタート時から在東京タイ王国大使館、タイ国政府観光庁(TAT)の正式後援をいただけていることに繋がっています。
● 活動継続のためクラウドファンディングへ2回挑戦!
ヤムヤムの活動そのものは産地取材や、オリジナルのタイ料理レシピを核とした食のイベント開催が一つの柱になっているため、事前経費が掛かるものが多く、活動継続には本当に苦労してきました。時には支払いを先延ばしにしていただいたりと、心苦しく思いながらも無い袖は振れず頭を下げてお願いしたことも多かったと思います。その節はご負担をお掛けしてしまいすみませんでした。
もっと活動そのものに集中できる環境を作るため、活動資金確保のため、活動ステージを一段引き上げ、当会の活動に関わっていただいている関係者の皆様への波及効果を少しでも大きくするために、クラウドファンディングはREADYFORで二回挑戦させていただきました。
1回目は、これ。
全国各地にお住いのタイ料理好き&地元好きのみなさんに、地元を代表する自慢の食材や特産物を使った “ご当地グリーンカレー” レシピを募集するコンテストの開催。
47都道府県を一巡するまでは時間がかかりすぎるというわけで、先にグリーンカレーのみ一品にフォーカスすれば、基本シリーズのヤムヤム都道府県版を補完する動きが作れるのではと考えたアクションでした。同時に、我々の活動自体を知っていただけるきっかけ作りにもつながる。
そのおかげで、全国各地のタイ料理のプロに直接つながることができたし、中でも優秀賞の青森県弘前市の弦や・坂本シェフとはその後も交流が続き仲良くさせていただいています。ヤムヤム青森のイベントへ参加いただいたり、当会のスポンサーでもあるタイのワイナリーSiam WineryのHUA HIN vIn yard取材へ同行いただいたり、青森取材の際にお店で食事させていただいたり、タイキュレーターを拝命しているぐるなびippinで弦やさんのオリジナル商品の地域の伝統食材 “清水森ナンバ” をつかったグリーンカレーペーストの紹介記事を書かせていただいたりしました。
その結果、READYFORから “食の特集” への参加をありがたくも要請いただき、クラウドファンディングへ再チャレンジ。
では、今度は47都道府県のグリーンカレーの鏡返しのような発想で、タイ77県の食材を使った “飾り巻き寿司” を作るプロジェクトを展開。
連続のクラウドファンディング挑戦で正直かなり大変でしたが、支援者のみなさまのサポートを多数いただくことができ、結果、目標額を達成!アサヒグループホールディングスよりご支援(参加全44団体の中から大賞を受賞!)をいただくことができました。おかげさまで、タイ国内14県44事業者の産地取材とバンコクでの食のワークショップイベント開催へ繋げることができました。なかなか痺れる経験でした。
クラウドファンディングに挑戦したことで得られたPR効果も相まって、スマートニュース社のSmartNewsのNPO支援プログラム「SmartNews ATLAS Program」へも採択いただき、ネット広告出稿100万円分のバックアップや、同時にgreenzでクラウドファンディングの取り組み紹介記事を書いていただいたりと、活動の加速感やグルーブ感が出て来たのもちょうどこの頃でした。
● コロナ禍が活動振り返りのきっかけをくれた
こうやって、さまざまな仕掛けにチャレンジして支援者のみなさまの応援やきっかけを頂きながら、両国の産地をコツコツと訪ねながらローカル産地取材を重ねて来ました。
最後にタイへ行ったのが昨年の2月初旬_。
その時はコロナ禍の影響がすでに世界的に拡がりつつあり、現地の空港もバンコク市内も厳戒態勢、マスクも満足に手に入らない。
やっと手にいれた携帯の消毒液をポケットに大事に忍ばせて、緊張しながら渡航しました。
この出張を最後に国外移動がまったく出来なくなり、同時に日本国内でもコロナ禍が爆発拡大し、徐々に動きが封じられていきました。
当会活動展開のアウトプットが “産地の食と観光の情報発信のためのフードイベント” (ヤムヤムソウルスープキッチンという名前の都道府県別のフードイベントシリーズを東京で定期実施しています)であったことも大きく影響。産地取材も食のイベント開催も全てペンディングとなってしまったことで、活動そのものが八方塞がりになってしまいました。
さて、どうするか。。
● これからの展望
はい、当面は日本国内での活動を優先していきます。
これを書いている時点(11/2)で、日本国内の移動も解禁し、飲食店の営業自粛時短要請も解除となり、日本では動きながら感染拡大は各自が気をつけていく方向へようやく進み始めました。また、タイも昨年より何度も実施された厳しいロックダウンから、これ以上観光による外貨獲得の機会損失はデメリットであると判断し、徐々に全面開国に向けて舵取りが始まった状況。日本は入国可能国として一応許可が出ました。
とはいえ、日本帰国後の隔離や渡航にかかる手続きの手間や高額な保険負担などを考えると、まだまだ以前のようにフットワーク軽く動ける状況とは言えず、今、タイで急いでプロジェクトを動かす必要は無いです。
また、当会の活動のもう一つの柱として、各地の一次産業に関わる農業法人や食の作り手の方々向けのブランディングや国内外の販路開拓PR支援があります。日タイを食でつなぐコンセプトに共感をしてご参加いただいた生産者のみなさんをタイへ繋いで行く段階で、現地タイのマーケットで選ばれる商品とするために、産地の特徴やこだわりをタイの方々へわかりやすく明確に伝え、良さを理解して買っていただくことが重要です。
また、商品を味わい体験したことを通じて、産地そのものへの関心を引き出し、インバウンドへつなぐことも想定した戦略を練り、並走していただく形でサポートさせていただいています。今は、この動きを加速させて行きたいと思います。
直近の事例としては、2018年12月に開催した、YUM! YAM! SOUL SOUP KITCHEN VOL.17 | 鹿児島・長島大陸 VER.|の産地取材で訪問させていただいた、JF東町漁協、株式会社JFAが生産販売を行っているブランド養殖ぶり “鰤王(ぶりおう)” のタイ向けブランディングと販路開拓PRプロジェクト。
2019年から当会でプロジェクトをサポートさせていただいております。
背景などの説明はこの記事が詳しいです。
色々と順番に思い出しながら書いていたら、ちょっと長くなってしまいました。。
今回はここまで。
ざっと駆け足で分かりにくかったかもしれませんが、これまでの10年間の動きを(かなり)ダイジェストで説明させていただきました。
個別に詳しくご紹介させていただきたい案件事例が多々あるので、これから順番で書いて行きたいと思います。
たったの10年ですが、されど10年_。
続けて来たからこその経験や気づきも多くあり、NPO活動や社会起業家をめざす方、これから何かを自分で始めてみようと思っている方の後押しや参考に少しでもなればと思います。
少なくとも、自分自身は頭に描いたことをそのままにしないで、書いて、伝えて、外に向けて話してみたことが周囲から返って来て、結果的にすべて今に繋がって続いています。やっている当時は鼻血が止まらないくらい大変でしたが、思い切ってチャレンジしてみて良かったと思ってます。
少しでも、何かの、誰かの、挑戦のきっかけやちょっとした参考になれば嬉しいです。がんばりましょう。
読んで頂きありがとうございます。
さあ、頑張って次を書こう。^^