ブログ・レポート

ヤムヤムコラム〜 仏舎利講

 お釈迦様の遺骨を仏舎利というが、これを納めたプラ・タート(仏舎利塔)という名前が
冠された寺院は、タイの至る所に存在する。

写真①1.jpg
タイ仏教寺院内の仏像。左側後方にみえるのがプラ・タート(仏舎利塔)。
チェンマイ県、ドイ・ステープ寺 


 お釈迦様と混同しがちな仏陀(ブッダ)という語は、単なる一般名詞であって、同義ではない。
お釈迦様は今から2500年もの昔、シャカ族という民族がつくった国で生を受けた王子ゴータマ・
シッタールタその人を指す。

 一方「ブッダ」は、ごく簡単に説明すると、いくつもある修行の段階を極め、全ての煩悩から
はなれることのできた、すなわち悟りを開いた者をいう。ゆえにゴータマ・シッタールタは最初
からブッダであったわけではなく、いくつもの長い紆余曲折を経た末に、悟りを開いた者
(ブッダ)となった。その後、歴史上ブッダは何人も存在しているし、現代の我々にとっても、
可能性としては誰しもがブッダになれる素質を秘めている。

写真②2.jpg
タイにある、世界一大きいとされる仏塔。
ナコンパトム県、プラ・パトム・ジェーディー

 仏教信仰の一つに「本生譚(別称:ジャータカ)」というものがある。お釈迦様が、何百回も
輪廻転生を繰り返し、果てにようやく悟りを得てブッダとなる資格を持ったゴータマ・シッター
ルタとして生まれるまでの物語である。お釈迦様の前世譚ともいえよう。物語によると、彼は
様々な身分出自の人物や、はたまた動物に生まれ変わっていることもある。タイでこの「本生譚」
は仏教の教えを分かりやすく説くものとして、広く親しまれている。なかには地方の方言で
編まれたご当地版「本生譚」もあるぐらいだ。こうした信仰からは、絶対的で全く誤謬がない神
とは異なった、どこか人間的で、親しみやすいお釈迦様のイメージがうかがえる。仏教は唯一
絶対的な神をたてない「無神教」ともいわれ、どちらかというと生き方の指南書に近いものがある。
生身の体で修行にはげみ、努力の末に悟りを開いたお釈迦様は、今でも民衆の間ではヒーローで
あり続ける存在だといえよう。

写真③3.jpg
沐浴する象。タイ仏教では象は神聖視され、特に白象は仏教の使者とされる。
カンチャナブリー県

 話は仏舎利に戻るが、お釈迦様の納骨堂でもある仏舎利塔の建立起源にはいくつかの説がある。
お釈迦様の死後、弟子たちが遺骨を白象の背に乗せ世界中に旅立ち、行く先々で現在も残る
仏舎利塔を建立したという説。お釈迦様が実際に伝来したという説。あるいはお釈迦様が来訪
した祭に、全長何フィートにもおよぶ足跡を残したとされる場所もある。仏舎利塔はお釈迦様の
故地である(そして2500年前において現実的な移動圏内である)、ネパール・北インド地域を
はるか遠く越え、タイや他の仏教国、果てには日本にも点在する。世界中全ての仏舎利塔に
納められている遺骨を組み合わせると、巨大なお釈迦様が出来上がるそうだ。
世界中にある伝来説や仏舎利塔の多さ、お釈迦様のイメージ上の巨躯は虚栄や虚偽を表している
のではない。むしろ、「本生譚」信仰にあるように誰もが親しみやすさをおぼえる人間くさい
一面をもち、その一方で人の生き方を説き、万人が考える理想的なヒーロー像を体現したことに
対する、人々の期待、憧れの大きさを表しているのではないだろうか。

運営事務局・ボランティアスタッフ 斎藤俊介

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