日本とタイ、ASEANの“食”を中心とした相互交流をカタチに。

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“fah77” タイ77県のローカル産地の魅力を新たに伝えるための取り組み

“fah77” タイ77県のローカル産地の魅力を新たに伝えるための取り組み

 

新たなタイ77県のローカルの食を発信するプロジェクトをスタートします。

“fah77(=77の空、タイ語)”とネーミングしました。

見上げる空は一つで、同じだけど、77県それぞれの空の色はきっと違う。

それは日本でも同じこと。

離れていても空は繋がっているし、連帯感を持つことができる。

だから、日本とタイも地続きではないけど、一つに繋がっている。

 

当会で考えている日タイをつなぐ、産地支援から作り出す活動の世界観を込めてみたのが、この“fah77”のコンセプトです。

 

姉妹都市なんですか?とか聞かれることもありますが、そういうことではないです。

それぞれの空の色(=土地の特徴)を生かしながら、横で繋がって一つになっていこうという考え方。

お互いに挨拶し合うような、そんな軽やかなイメージです。

 

 

ヤムヤムで設立当初から掲げている活動テーマは“47×77”。数字は日タイそれぞれの県の数のことです。

日タイのローカルの発信と、両国へ双方向性を持たせることで、産地だけの狭い取り組みにならないような外へ向かう視点を最初から入れています。だから、日本とタイを海を隔てる関係の中でつなぐことで、新たな産地支援のしくみを作ろうと考えました。

 

人と、情報と、モノ、カネが双方向に動き、支え合うためのプラットフォーム。

商社などがやっている単純な売り買いともちがう、価格だけでなく、背景にある思いや人をつなぐことで生まれる、数字で測れない価値がきっとある。そこを我々のようなNPOが主導することで、作り手と買い手がうまくマッチすることがきっと必ずあると考えています。新たな価値を生み出すための中間支援のような仕組みづくり。

 

 

さて、この“fah77”の構想自体は、今に始まったことではありません。

ヤムヤムの設立から温めているこの構想を具現化するために最初にトライしたのが、2015年8月からスタートしたクラウドファンディングを活用したタイ77県の農産地取材。取材経費を賄うためにreadyforを活用してサクセスし、ありがたいことに企業CSR企画「食の特集」で大賞まで受賞することができ、アサヒグループホールディングスの支援金をいただくことができました。

それから、77県中、14県の合計44生産事業者の産地取材を3ヶ月間タイへ通いつづけながら一気に駆け抜け、何とかJAPAN EXPO in THAILANDで『タイ農産地のローカル食材を使った飾り巻き寿司』という、独自のアウトプットを媒介として、タイのみなさんに飾り巻き寿司のワークショップを三日間体験いただき、日タイを食でつなぐ活動の試みを形にして見せることができたと思っています。

そこから、気付けば6年が経過。2019年12月末にプロジェクト再始動のご相談に在京タイ王国大使館農務担当官事務所に伺ったものの、年明けからパンデミックと化したコロナ禍で予期せぬ空白の2年間も挟み、改めて2022年5月に同事務所を再訪してソムサック公使参事官(この間にチョンティサック公使参事官は上海→タイへ異動された)へ改めて詳細ご説明をさせていただいたという流れでした。

前回からの変更点として、イベントだけでなく、商流をつくるお手伝いもして行くということ。前回までの14県44生産事業者のみなさんとの繋がりは改めて掘り起こしつつ、新たにつながっていく産地の農産物で日本へ流通が可能なものや、日本のマーケット向けに販路が期待できそうなものは、新たに“fah77”としてブランディングをし、日本の消費者向けに訴求をしていこうと考えています。

その第一弾が、チェンライで栽培されているタイ産のコーヒー豆。近年コーヒー業界で注目が集まる、高品質のアラビカ種のコーヒーを生豆で生産者から直接仕入れて、日本のコーヒー業界のプロやコーヒーマニアが納得できる焙煎を日本国内で施すことで、タイ国産コーヒー豆の可能性拡大へ貢献できるのでは?と考えて形にしていくものです。

 

この産地とのつながりも、ヤムヤムの活動を長年タイから応援してくれているタイ人支援者のYongさんの紹介で生まれました。森林局のNoiさん、メーサロンでお茶の生産を大規模に手がけ、自社ブランドも展開されているRatさん、そしてコーヒー生産者Mareeya FarmのGuangさんと繋がることができ、新たな流れが出来つつあります。

当地域のコーヒー栽培を手がける農家グループはPaisanさんを中心に、およそ130〜140ほどの農家で共同で栽培しており、“森を守る”ためのコーヒーづくりが環境保全と商いが両立する取り組みが続いています。そこに政府機関も加わってNivatさんを中心に、生産指導や品種の研究など様々な取り組みが動いています。

現在、テスト輸入をしています。焙煎はタイではやりません。日本で日本人が好む味わいにしたいし、焙煎後に劣化が始まるので、日本でコントロールしながらやりたい。専門的な部分は、旧知の仲間 Q Arabica grader barista 田島佳幸 氏に依頼。“fah77”のコーヒープロジェクトのメンバーに新たに加わってもらいました。

おかげでコーヒー豆としてのクオリティに関しては、お墨付きをいただくことができました!今後はチェンライのコーヒー産地との抽出や焙煎技術などの学びの交流や、“fah77”の取りくみに賛同いただけるロースターやバリスタの方々との連携を図るための様々な施策を組み立て、実施していきたいと思っています。

我々はコーヒー専門商社ではありません。あくまで、タイの農産物を広めるお手伝いをする立場。タイ77県の産地支援の取り組みのための今回のチェンライであり、そのコーヒー豆でもあるので、他県では取り扱う生産物も当然変わって行きます。上手く支援モデルのプロトタイプを今回組み立てていくこと、後々に他産地へ取り組みモデルを横展開させていくことで、当会の独自コンセプトを具現化していきます。

第19回ミニタイフェスティバル大阪2022へ出店して、テスト販売を実施しました。会場は湊町リバープレイス(なんばハッチ)プラザ3、開催日は2022年6月5日(日)10:00~19:30。

ヤムヤム大阪イベントを一緒に開催してからのご縁でいろいろとお世話になっているクンテープ(川北社長)さんのご厚意でブースの一角を使わせていただきました。ご支援ありがとうございます!

 

 

課題だらけ、走りながらの企画づくり、産地とのネットワークづくりとなりますが、ようやくコロナ禍も収まりつつあり、ようやく自由に走ることができる状況になってきたことのありがたさを噛み締めながら、日タイ間を以前のように奔走しながら、ヤムヤムの描く理想形を作っていきたいと思います。

“fah77”の展開もどう発展させていくか?、その過程でタイの農産地にどのような貢献ができるか?、こちらも今後がとても楽しみです。サンプル希望の方には、クラウドファンディングを活用するなどで気軽に試していただけるような方法を考えてみます。

日タイのローカルをつなぐ新たな展開に、応援をよろしくお願いいたします!